日記

元気です(風邪気味) - 2011/03/13(Sun)

・11日15時前
「逃げ場がない」
地震が来た瞬間にふと浮かんだ言葉。
僕が住んでいるのは山形県北部で、当日は3月にもなったというのに大雪だった。
外に逃げても広い場所はなく、除雪で積み上げられた雪が崩れてきたら…などという想像が働く。


しかし僕が住んでいる地域は、幸いにも地盤が安定した地域で、震源地に比較的近いにも関わらず被害は停電くらいだった。
ど田舎なのも幸いし、旧式のインフラ(プロパンガス、くみ取り式トイレ)だったのも影響が少ない要因のひとつだったかも。
家具が倒れたり食器が割れるなどの被害もほぼない感じ。


地震直後は、携帯も(混雑していたけど)繋がるしデータ通信も出来る状態だったので、ツイッターなどでかなりの知り合いの安否を確認できた。
メールも数件あったので、返事を書く。


・11日16時(夕方)
災害に関する主な情報ソースはラジオだった。
30分おきに刻々と情報が更新され、現在置かれている状況を把握し始める。
「落ち着いて行動してください」というアナウンサーの切羽詰った声が現実感を煽る。

暫くして、近くに住む甥っ子と姉が実家であるうちに避難してきた。
相変わらずやかましい甥っ子なのだけど、いつもと違う様子を感じとってか、普段より勢いが弱い。


・11日18時~
夕食。
ガスが使えることと、姉が買ってきてくれたパンのおかげで不自由なく食事を取ることができた。
電気がつかないのでロウソクを灯し、コタツに湯たんぽを入れて家族でギュッと押し合うように食卓を囲んだ。
灯油ストーブが使えることもあり、暖を取る手段にも事欠かなかったのも幸いな点だったと思う。
最近は石油ファンヒーターが主流なので、灯油ストーブがない家庭は指定避難場所で暖を取ったようだ。


・11日21時~
ラジオで同じ情報がループするようになり、やれることがあまりにも無いため早めに寝ることを決め、就寝。
途中何度か、安否確認の電話や余震などで目を覚ましながらも朝まで寝ることができた。


・12日朝
日が変った前後から、携帯などのデータ通信も通じなくなったため情報が完全にラジオのみに。
「津波により壊滅的被害」
とてつもない・甚大な などの表現は比較的よく聞くのですが、公式なニュース報道で「壊滅的」などという言葉が使われたことに衝撃をうける。


情報は少しずつ入ってくるものの、相変わらずやれることがないのでゴロゴロしながらラジオに聞き入るしかなかった。
父が仕事の関係上、地域のインフラ事業に詳しいため、電気の復旧などの情報などを教えてくれたことも安心感に繋がった。


・12日16時前後
電気が復旧。
嬉々としてテレビとPCの電源を入れ、情報に食い入る。


そして、津波の動画・ニュース映像を初めて目撃する。


正直情報が無かったときのほうが呑気に構えていたし、うちの地域が被害軽微だったこともあり楽観していた。
しかし、しかし、そんな気持ちは吹き飛んでしまった。


宮城・岩手・福島。どこにも古い知り合いが住んでいたりその家族がいる地域だ…
彼らは…大丈夫だろうか?


見慣れた仙台駅のペデストリアンデッキに亀裂が入り歩行禁止になっている。
宮城に住んでいたころに、自転車で行ったことのあるコンビナートが燃えている。
遊びに行った同級生の実家のある島で、十数棟の家屋が流されたという情報もあった。


しばらく呆然とし、少し涙目になる。


・12日夕方~
福島の原発や余震の情報が入るたびに、不安な気持ちが広がり落ち着かない。
が、そんななか仕事を再開することにする。
目立ったインフラダメージもなく、問題なくネットが繋がるなら仕事をやるしか無いと思った。


よく「不安をかき消すように仕事に没頭する」なんて言われるけど、あんなのは嘘だ。
じっとりと纏わり付くような不安感で落ち着かないし、仕事への集中力はいつもより低いことを実感する。
不安を抱えながら、というのが現実だ。


しかし、やれるなら仕事はやるべきだと考えた。


完全な安全とは言えないし、北へも南へも逃げにくく、最初に言った「逃げ場がない」という現実の中、できるだけ平常通り動くことが、結果として昂った感覚を落ち着かせることに繋がると『信じたかった』からだ。
嘘だ、なんて言っておきながら矛盾した行動だとは思うけど、やると決めたからにはやる。


結果としては、やはりというか、全然落ち着かない。
だが、なんとか(遅々としながらも)仕事を進めることが出来ている。


・現在
様々な状況が進展しているなか、起床し仕事の準備を始めています。
ちょっと長くなりましたが、地震直後から現在までの流れをまとめてみました。


最後に、
関東・甲信越・東北・北海道のみんな、
安全は確保できていますか?
家族は元気ですか?
そして、あなた自身は大丈夫ですか?


僕は少し風邪気味だけど何とかやっています。


被害に合われ亡くなった皆様に哀悼の意を表し、現在も被災地で過ごす皆様にわずかながらのエールを送ります。
そして、僕は無事であることをただひたすらに感謝しつつ仕事を続けることにします。

投稿者 みゃぷぞう : 2011,03,13(Sun) / 10:56

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